このコートは、スイスの紡績会社、REMEI社が生み出す、オーガニックコットンを使用して作られています。この会社は、インドやタンザニアを中心にオーガニックのコットンを作っていて、農薬を使わずに生産者の健康被害を失くし、さらにその地域に暮らす人達が自立していける仕組みを構築している “BIO RE PROJECT”を実施。社会貢献にも優れた実績と信頼のある企業です。その40番手の糸を使って、タイプライターを織りあげました。
織っているのは静岡県西部に位置するカネタ織物。旧式のシャトル織機を使い、高密度に織りあげられる高い技術を持つ織物会社です。そこでセルヴィッチのタイプライターに。綿(わた)自体は柔らかいのですが、それを高密度に織ることによって、綿本来の柔らかさとハリ感が同居する他にはない生地になっています。
デザインソースは、フランスの古着で見つけたダスターコート。ダスターコートとは、道が舗装されていなかった時代に砂埃がすごかったという背景から生まれたもので、服が汚れないように工夫されたくるぶし丈のロングコートのこと。フロントのダブルの合わせや、襟も上まで留められるデザイン、インナーカフが付いていて袖口からも砂埃の侵入を防ぐ作りになっているのが特徴です。
丈はモダンな長さに調整しつつ、当時の作りを踏襲しました。インナーカフはゴムで仕立てることで、より現代的かつ暑い時期には袖まくりもできて便利な仕様に。
ポケットは、フラップ付きと上からすっぽりと入るダブルタイプになっています。写真は、今季のMARKAWAREのテーマカラーであるブラウン。さらにブラック、ネイビーも展開。
text : Aiko Futamata