ミリタリーアイテムを忠実に再現し、現代的なシルエットに再構築を行い作り続けているMARKAWARE。そのなかでも、冬アウターの代表格『N-1 DECK JACKET LONG』をご紹介いたします。
N-1 DECK JACKETは第二次世界大戦末期からアメリカ海軍のデッキクルーに正式装備として支給されていたものです。屋根や壁もなく、雨風に打たれながら作業を行うデッキクルーを守るために作られたジャケット。この由緒正しきミリタリーアイテムをロング丈で作りました。このデザインにすることで、N-1 DECK JACKETの無骨さとロングコートならではのスタイリッシュさを表現できたと思います。N-1 DECK JACKETに使われている生地と言えば『ジャングルクロス』。合繊の無かった時代に防風性を高めるために太い緯糸を使用して織られた高密度なグログラン生地です。水分を含むことで生地の目が詰まり、さらに防風性をあげる古き良き機能素材でもあります。MARKAWAREでは、この『ジャングルクロス』を国内でも最も打ち込み本数の多い生機を使用して再現しました。さらに、裏地に使用されているアルパカモヘアウール。襟、スリーブ、裾まで配することで、極限まで保温性を高めています。胸元にはUnited States Navyの略称であるU.S.N.のステンシルを入れ、実際のN-1 DECK JACKETの仕様を再現しました。ですが、敢えてかすれた文字にしています。これにより着用時から男らしい無骨感があり、着込んでいくことで増していくビンテージ感を存分に楽しんでいただけると思っています。襟元のチンストラップは首もとを閉じることで風の侵入を防ぎ、保温性をさらに高めています。また、襟元にも配したアルパカモヘアウールが首もとを暖かく包み込みます。艦上の厳しい環境下に対応するためのディテールは、街で着用された時にも充分にその実力を発揮してくれるでしょう。ミリタリーを安易に表現するのではなく、手間をかけても忠実に表現する。それはMARKAWAREの根底にある物作りの精神です。その象徴とも言える『N-1 DECK JACKET LONG』是非PARKINGでご覧下さい。
Photo&Text:Yuji Saito