前回に続き、初めて訪れたポートランドの旅の記録です。今回はこの旅行で一番印象に残ったお店を紹介します。
長年ポートランドに住んで、現在はチャイナタウン近くでCOMPOUNDというショップを経営しているカツさんから「最も今のポートランドらしいお店に行きましょう」とお誘いを受け、向かったのは街の中心から北東部へ向かい405号線でウィラメッテ川を越えたエリアでした。
元々倉庫や工場などが点在していた場所なのか、周囲にお店らしい建物は無く目の前は大きな空き地とハイウェイ。そこに古い倉庫を利用した「Beam&Anchor」はあります。
日本でも名前を知られるようになった家具・雑貨などを扱うショップ兼工房ですが、行った当時はまだまだ情報がなく、事前の訪問リストにも入っていない店でした。
元々インダストリアル系ファニチャーのディーラーをしていたというオーナーが、家具を中心にメイドインポートランドのアイテムやクラフトマンシップあふれるMADE IN USAの商品を集めた店内。ディスプレイも含めてわくわくする楽しさがありました。ハニカムのブログで梶原由景さんが書かれているように、品揃えが特別素晴らしいというよりも店の在り方が今の時代らしい。求めていたポートランド的なものが凝縮されているお店でした。
今の時代は目新しい商品を集めたくてもすぐに陳腐化してしまいます。それゆえに店の在り方とその背後にあるそのお店の人達の本当の生活様式が見えてくる場をナチュラルかつセンス良く作り上げることを重視する。その哲学に共感し、ついついモノに手を伸ばしてしまう。いろいろと考えさせられる店でした。
店内をゆっくり見た後、2階にある工房も見学させてもらいました。そこには大小様々な工作機械や木材などが置いてあり、作りかけの家具やカヌーなどがあちこちに。ポートランドということでビンテージのPENDLETONのブランケットはソファーなどの張り替えに使用するということでした。
また、工房に併設してキッチン&ダイニングスペースがあり、ここで皆で料理を作って食べるという理想的な職場環境でした。
Beam&Anchorではポートランド発のアウトドアブランドPOLERの迷彩リュックやPARKINGで使用する備品類などを購入。まだまだ旅の前半なのに荷物は相当すごいことになっていました。
Photo & Text : Shunsuke Ishikawa