続いて僕たちは第二の目的地オレゴン州ポートランドに向かいました。
今のアメリカ的なスタイルはここにその源流があるような感じがしていたのですが、かつて一度も訪問したことの無い土地でした。友達も「NYのアートスクールに行っていたときの友人はほとんどポートランドに行ってしまった」と話をしていたくらい、多くのアーティストやフリーランスの人たちを引きつける場所。Ace HotelとCOFFEE SHOPカルチャーを生み出した場所。そしてDIYやZINEなどみずから何かを作り出す文化を持つ場所。片田舎の小都市で終わってしまってもおかしくない辺鄙な場所にありながら、ニューヨーク・サンフランシスコなどと呼応しながら新しい文化を生み出している都市を知りたいという思いが募っていました。
環境先進都市と言われるポートランドだけあって、タクシーはプリウスが多かったです。
残念なことにポートランドの滞在中はほぼ雨降りでした。メインカメラはマウンテンパーカーの下に入れたままにしていることが多く、ほとんどiPhoneとコンパクトカメラでの撮影になってしまいました。
宿泊したのはThe Nines, Portland 。体験したいポートランドという点からいくとAce Hotelが良いのでしょうが、シャワー共同の部屋しか空いていないということで、このJ.P.モルガンが作ったというホテルに宿泊しました。建物の中に大きな吹き抜けがあるモダンな建物で、街の中心部に位置しロケーションもばっちりでした。
まずはサウスイースト地区を散策します。この当たりは閑静な住宅街でしたが、印象的だったのは植栽の種類が豊富なこと。各家々はもちろん歩道の街路樹すら多種多様な植物により構成されています。それぞれに個性があり歩いていて飽きないエリアでした。
このエリア最初の目的地はここPeople’s Food Co-op。日本の仕組みを学んで作られたというアメリカ版生活協同組合。働いている人たちも組合員によるボランティアで、確か週2日働けば20%オフで商品を購入できるという仕組み。もともとは日本のやり方に着想を得たということですがその後の独自進化がすごい。徹底的に環境コンシャスにオーガニックにというこの地域に住む人たちのニーズに合わせて店が作られており、小規模な店ながら今まで行ったスーパーマーケットで一番楽しい店でした。
アメリカらしくボリューム感たっぷりの野菜や果物の陳列はもちろん、これも海外ではたびたび見かけますが、ここでは非常に種類が豊富な量り売りコーナー。調味料・香辛料やドライフルーツ、コーヒーなどの食品に始まり石鹸、洗剤などの生活用品まで多種多様な商品を自分で取って計量して必要な量だけ購入できます。またJASONやAVALON ORGANICなどPARKINGでも取扱いのある商品も陳列されていました。
ここでもついつい長居をしてしまい、美味しいアップルジュースなどの試飲をしたりちょっとした食品を買ってみて食べたり、またまた石鹸を買ったりと楽しい時間を過ごしました。
次に歩いて向かったのはここ。アメリカのライダースジャケットの聖地Langlitz Leathers。1947年創業の老舗モータサーサイクルジャケットメーカーです。想像していたよりもずっと小さくフレンドリーな雰囲気のショップ兼工場は、オーダー受付と自社商品の中古・新品の小物を販売するスペースと縫製を行う工場で構成されていました。せっかくなのでジャケットを購入したかったのですが、売っている中古品は比較的新しいものが多く、小さいサイズでも日本人にはバランスが合わず断念しました。せめてもの記念にと写真にあるライダース用のレザーで作った財布を購入し、物欲を満たしてきました。
初めての訪問で非常に多くの刺激を受けたポートランドはあまりにも長くなってしまいそうです。次回続きをアップします。
Photo&Text : Shunsuke Ishikawa