ハワイ島のコーヒーといえば、コナコーヒーが有名ですが、ここ、カウのアイカネプランテーションで作られたコーヒーが素晴らしい味わいなのでご紹介。
カウの地域はハワイ島の南東でキラウエア火山とマウナロア山のあいだにある小さな町。ここはポリネシア人が広大な太平洋をわたって始めにハワイ島に上陸したとされる地域です。残された当時の遺跡は1500年前のものといわれ、今だ考古学者たちによる調査が行われています。
wikipediaより、左の大きな地図はハワイ島の拡大図。赤い部分がカウ地区。
そもそもカウでは1984年からアラビカ種の栽培が行われていましたが、やがてコーヒー価格の暴落により継続することができなくなりました。その後はサトウキビ栽培にうって変わることになりましたが、1996年以降に再びコーヒー農園の開拓が始まります。土地を耕し、野生化してしまったコーヒーの樹をひとつひとつ選定し、その道のりは困難を極めましたが、ついに2006年、メルル・ベッカーさんにより「アイカネプランテーション」として事業が本格化します。
マウナロア山の標高600~700メートル付近で生産されるコーヒーは、柔らかな日差しを浴びて優しい味わい。花やオレンジ、ライムの木に囲まれた農園の中で、11月から4月のあいだ、毎日完熟のコーヒーチェリーをひとつずつ厳選してハンドピック。きれいに粒が揃っています。乾燥の工程では毎日数回豆をかき混ぜながら水分量を測り緻密に品質を管理し、非常に丁寧に仕上げられているのです。
テイスティングノートには「酸味が控えめ、柔らかなフルーティーさとふくよかな甘さ」と記されていますが、人によってはチョコレートやチェリー、ココナツのフレイバーや、蘭やシトラスを思わせるフローラルな香りが見つかるかもしれません。その芳醇な味わいはコナコーヒーにも勝るとされ、今ではホワイトハウスでも飲まれています。
そのコーヒーが数量こそ多くないものの、PARKING COFFEE × CACAO WORKSにも入荷しています。コーヒー通のあいだでも密かな注目を集めているカウコーヒーを、この機会にぜひ。
Photo : Miyuki Nara
Text : Tsuzumi Aoyama