今週末、MARKAWARE2015年春夏シーズンのアウターが続々と入荷いたします。今日から3日間続けて人気のアウターをご紹介していきます。
一日目は、最も多くのお問合せを頂いている人気アウターL-2B(A)フライトジャケットです。
MARKAWAREでは、その前身となる「marka BLACK LABEL」時代から様々なバリエーションのナイロンフライトジャケットを作製してきました。現時点において考えられる最善を尽くしリアルヴィンテージに近いものを作っていく。しかし、そのシルエットはタイトにモダナイズして現代的なファッションに取り入れやすくする。ということをその基本コンセプトにしてきました。
しかし、今シーズンのL-2Bはそのコンセプトの一つ、タイトなシルエットを変更しました。ここ数年でブルゾンに求められるシルエットが変わったなと考えています。全体に丸みのあるシルエット、ドロップショルダーが作り出すシルエットが現段階でのモダナイズ。そんなことを思いつくった新作です。
表地はずっと使い続けているオリジナルの「66ナイロン」ツイル。この生地について少し説明いたします。66ナイロンは1935年にデュポン社によって開発されたポリアミド合成繊維ですが、その糸をアメリカより輸入し福井県の機元で織っています。経(たて)には70デニール、緯(よこ)には200デニールの糸を使った高密度な3/1ツイル(経糸が緯糸3本の上を通った後、緯糸1本の下を通るようにしてつくる綾組織)で、仕上げに熱と圧を加えて防風性を高めています。多くのブランドで使用されているナイロン地はより一般的な「6ナイロン」ですが、それらと比べるとこの66ナイロンはより柔らかくシルキーな風合いが特徴で、製品にした時の雰囲気の良さを感じてもらえると思います。
使用している附属類にもこだわりが詰まっています。カフス口・裾・衿に使用しているリブは群馬県桐生市のニッターさんで糸から作ったウールリブ。袖口は実物に倣って古い靴下編み機を使用した丸編みで、ぐるり一周はぎがありません。
ドット釦も別注で作っています。釦裏の刻印まで再現して、マットブラックのダールメッキをかけています。メッキ皮膜が少しずつ削られ下地の真鍮色が見えてくるまで着込んで頂きたいアイテムです。
縫製はナイロンフライトジャケットを縫うならここ以外は考えられない桐生の明仙縫製。以前デザイナーズブログでもご紹介したこの工場は戦後間もなく米軍駐留兵向けのスーベニアジャケットを縫い始めたお母さんから工場を引き継いだ明仙さん兄弟が運営しています。レプリカブームを支え、今も多くのミリタリーアイテムを縫う信頼の工場です。MARKAWAREのナイロンフライジャケットは全てこの工場で縫っています。
MARKAWAREを象徴するアイコニックな存在のナイロンフライトジャケット。この機会にPARKINGでそのこだわりと着心地を是非ご確認下さい。
Text&Photo Shunsuke Ishikawa