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PARKING
衣・食・住・遊のすべてにこだわりを持つ男性のための新しい生き方を模索する、Lifestyle Magazine型のショップ。
洋服のほか男性の生活全般に渡って必要な道具や消耗品をそろえ、「自然と街を結ぶトランスポーター」である自動車も重要なエッセンスとして機能。
PARKING MAGAZINE
今とこれからの男性の生き方を模索するウェブマガジン。働くこと、遊ぶこと、生活することを三位一体とし、「グローバル|ローカル」, 「都市|自然」, 「消費|創造」といった様々な隔たりを軽やかに飛び越えていく、自由で活動的でDIY精神豊かな男性像を模索していくウェブマガジンです。
PARKING COFFEE×CACAO WORKS
数社のロースターと契約し、セレクトしたスペシャリティーコーヒーを提供。
産地から直送されるカカオ豆を自家焙煎し、カカオと砂糖のみを用いた特別製法のチョコレートを販売。
コーヒーとチョコレートで朝の目覚まし、軽いランチ、午後の気分転換、夕方の一休みなどの時間と空間を提供します。

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  • PARKING
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    Tokyo, JAPAN 153-0061
    153-0061 東京都目黒区中目黒 1-3-8
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    TEL: 03-6412-8217
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    STORE HOURS:
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    WEDNESDAY CLOSED

    PARKING

  • PARKING COFFEE X CACAO WORKS
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    EMAIL: info@parkingmag.jp
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    PARKING COFFEE X CACAO WORKS

  • Existence Co., Ltd.
    ADDRESS:
    1-1-45 Nakameguro, Meguro-ku
    Tokyo, JAPAN 150-0061
    153-0061 東京都目黒区中目黒 1-1-45
    TEL: 03-6412-8637

    Existence Co., Ltd.

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2016.02.21
Movie Review Nº21 “STEVE JOBS”名優たちが織りなす、圧巻の会話劇。

これはアップル・コンピュータ隆盛の大立役者、スティーブ・ジョブスの伝記映画である。僕自身アップル・コンピュータの製品を20年以上使っている熱烈なMacユーザーなので、アップル・コンピュータの煌びやかさは新製品発表会にあることは重々承知している。つまり本作は、1984年のMacintosh発表会。そしてアップル・コンピュータを追い出され、1988年に新たに立ち上げたNeXTCube発表会。また1998年のiMac発表会。そのわずか3幕に凝縮させて(シークエンスはわずか3つしかない)、毀誉褒貶の多いジョブスの人生を語り尽くしているわけだ。それを見事に200ページほどの会話劇だけで成立させている。これは、アーロン・ソーキンの脚本の勝利と言える。完全な力業であり、観終わると「まいった」という感慨しか残らない。これだけ立派な脚本なのにアカデミーオリジナル脚本賞にノミネートされていないとは、由々しきことだ。

ダニー・ボイル監督の『スティーブ・ジョブス』(2月12日よりロードショー中)はすばらしいフィルムだ。そしてジョブスを演じるのは、名優マイクル・ファスベンダーである。

Steve Jobs

余談だが、YouTubeなどでさまざまな動画が観られる現在、過去のアカデミー賞授賞式も観られる。たとえば、助演男優賞を2度受賞しているイギリスの名優マイクル・ケインはプレゼンター全員に「マイクル・ケイン」と呼ばれている。これに倣うと、スティーブ・ジョブスを演じる彼の名前はマイクル・ファスベンダーである。「Michael」をカタカナ読みしちゃうからいけないのだ。

ジョブスの「女房役」として、彼のマーケティング担当を務めるジョアンナ・ホフマン役には、ケイト・ウィンスレットが扮している。何しろ、ジョブスが思いつく無理難題に翻弄される。彼女も年を取るわけで、その年月の移り変わりが彼女を通してわかるという具合だ。なお、ウィンスレットはこの演技でアカデミー助演女優賞にノミネートされている。

Steve Jobsアップルの共同創業者スティーヴ・ウォズニアックに『40歳の童貞男』(05)『グリーン・ホーネット』(11)のセス・ローゲン。ジョブスを退社に追いやったジョン・スカリーには、『イカとクジラ』(05) やTVシリーズ『ニュースルーム』(12〜14)のジェフ・ダニエルズ。 

なお、『ニュースルーム』を企画し、脚本を書いたのは本作の脚本を手がけたアーロン・ソーキン。『ニュースルーム』の主演であったジェフ・ダニエルズにとっては、勝手知ったる世界であり、アーロン・ソーキンが創り出した人物を実に魅力的に演じている。ジョン・スカリーを時に憎々しく、時に大らかに表現。マイクル・ファスベンダー演じる主人公をやさしく包み込んでいて、この会話劇をけっして飽きさせない。

Steve Jobs
この映画がおもしろいのは、物語が「たった3幕に凝縮されていること」だ。演技やストーリーに勢いを出すため、3幕に分かれている映画のシークエンス順に撮影されており、第1幕の前に3週間、第2幕、第3幕の前にそれぞれ2週間のリハーサルが行われた。

観終わったあと「まいった」と思うほどの、普通じゃ考えられないぐらいに、俳優の力が束になってかかってくる圧力は冒頭で述べたすぐれた脚本と、名優たちが織りなす演技の凝縮感にある。

なお、第1幕では企業のリーダーであるジョブスは、肩幅の広いダブルのスーツに、ボウタイという格好だが、第3幕ではおなじみのジョブス像そのままに、黒のタートルネックセーターにジーンズ姿だ。

Jobs_main

(C)Universal Pictures/(C)Francois Duhamel

『スティーブ・ジョブズ』
2016年2月12日(金)よりロードショー
配給:東宝東和
stevejobsmovie.jp

 

Text : Mutsuo Sato