表参道のSPIRALでは9月5日(金)より「Timberize TOKYO 2020」展が開催中です。
かつて、1964年に開催された東京オリンピックが現在の東京のベースを作ったように、2020年に開催予定の東京オリンピックは東京の新しい姿をふたたび描き出すものと期待されています。この展覧会は「都市木造」という観点から、木造建築がどのようにしてまちづくりに活用できるのかを考え、多くの模型により視覚的に表現しています。
主催はNPO法人の「team Timberize」。Timberizeとは“人の手によって加工された材木や製材”をさす“timber”から考え出された造語で、team Timberizeは「鉄やコンクリート、プラスチックに置き換えられてしまった「木」を新しい材料としてとらえ、木造建築の新しい可能性」を探る団体です。会場にいらっしゃった、副理事長の小杉栄次郎さんにお話を伺いました。
「2000年に改正された建築基準法により、構造的な基準と防火基準さえクリアすれば木造建築でも何階建てでも作って良いということになりました。それ以降team Timberizeでは都市型の木造建築を研究し、2010年にこのSPIRAL行った展覧会では好評をいただいて日本各地での巡回展も行いました。そこで今回の展覧会ですが、2020年の東京オリンピックに向けて街が変わるときに、1964年の東京オリンピックのようにまたコンクリートと鉄だけでやりますか? ということを、いろいろなことが決まってしまう前に、いま提案したいということで企画しました」
「展示エリアの中央にある「オリンピック施設」では、有明の競技施設を木で作ったらこういう形になります、選手村といった住居地域は木で作るとこういう街ですということを模型で表現しました。ここではオリンピック以降の街はどうなるのか、ということもあわせて考えられるような展示になっています。木を使うことによって森林を活性化させるメリットや、強度や耐火性にすぐれた集積材といった技術の進歩を知っていただくことも大事ですが、この展覧会ではまずはみなさんが見たことがない木造建築を楽しんでもらうことを主眼においています」
スギで作られた実物大の仮設木造スタンドは休憩スペースとして会場内に設置されており、ここでは会期中に3回のトークセッションが開催され、木造建築の歴史やこれからの木造建築によるまちづくりというテーマの話を聞くことができます。
また実際に建築された、または近々に建築予定の100軒にも及ぶ木造建築が模型で展示されており(70人以上の建築家が参加しています)、木造建築の美しさ、木造でここまでできるのかという驚きを感じることができるでしょう。
『Timberize TOKYO 2020』の会期は9月5日(金)から9月15日(月・祝)まで。入場無料です。
展覧会名称: Timberize TOKYO 2020
会期:平成26年9月5日(金)〜15日(月•祝)
開催時間:11:00〜20:00(会期中無休。初日は19時まで)
入場料:無料
場所:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
東京都港区南青山5 – 6 – 23
主催 :NPO法人 team Timberize
http://www.timberize.com/
Photo & Text : Tsuzumi Aoyama