PARKING

0

CLOSE

〈MARKAWARE〉、〈marka〉の2ブランドから生み出されるウエアには一点一点、物語が眠っています。
原料選びから紡績、製織、染色、縫製、プレス、加工に至るまで、それぞれのウエアが作られる背景や各過程を支える職人や工場、農園を紹介しながら、これから暮らしをともにする洋服により愛着を持っていただけるような情報を共有していくのが「PARKING MAGAZINE」。
アイテム1つずつに深い理解度を持って愛せる、好奇心を持った男性に贈るウェブマガジンです。

Vol.02 Organic Cotton Farm, India

インドオーガニックコットン(後編)

March 10, 2018

洋服づくりの原点をたどる旅の後編。前編ではインドール郊外でオーガニックコットン作りを支える施設を紹介しました。今回は訪問した農園、そして昨年稼働し始めたジーニング工場について、写真とともにお伝えします。

 今回の旅の一番の目的である綿農家訪問。このプロジェクトでは、約4000軒の農家が7000エーカーの農地を使ってオーガニックコットンを栽培しています。bioReインディアから支給された種子を使い、同社のサポートのもと良質な綿花が作られているのです。また、周辺の農地や綿の休耕中には他の作物が作られており、それらの作物が農家の収入を支えていて、僕が行ったこの時期には、いたるところにマリーゴールドが咲いていました。綿と一緒に植えることによって害虫を寄せ付けなくなるコンパニオンプランツの役割もはたしてます。堆肥は飼っている牛の糞からコンポストを作り、害虫駆除にはニームという木の種子や葉を発行させたものにニンニク、タマネギ、唐辛子などを加えたニーム液を自作します。自然にあるものを使って栽培することで支出を減らすことが出来ています。
写真の男性はPrakash Daluramさん。ここで3エーカーの耕作をして、年間180kgのオーガニックコットンを栽培しています。オーガニック農法は慣行農法に比べて収穫量は最大15%程度低下するが、生産コストは38%程度低くなると言うことです。
綿栽培には気候が大きく関わります。種まきからコットンボールが熟成するまでは雨が多く、コットンボールがはじける時期には寒暖差があり雨が降らない乾燥した気候が必要。僕が行った11月上旬のこの時期、昼は30度を超えて日差しを遮るものが無い農園に長時間いるのはつらいほどでした。しかし、日が暮れると一気に冷え込み、持って行った薄手のダウンが活躍。この気候がインドを中国と並ぶ世界最大の綿生産国にした要因の一つです。
 綿農家を後にして最後に訪問したのは、昨年稼働し始めたジーニング工場。収穫した綿花の繊維(リンター)と種を分離するジーニング(綿繰り)工程を行う工場です。種が除かれた綿はその後風を使ってゴミと分離されて原綿になります。上で紹介した農場で収穫されたコットンはここに運ばれて、遺伝子組み換えコットンと混じること無く綿繰りされて純粋なオーガニックコットンになっています。そしてその原綿が世界に向けて出荷されています。
 ジーニング工場の稼働によって、bioReが行う種の供給から原綿の買い取り、原綿作りまでを一貫して行う流れがほぼ完成し、僕たちが使用しているオーガニックコットンが供給されています。
 日数が限られていたので各地を駆け足で巡るインドの旅でしたが、洋服の原点となる原料の生産過程とそこに携わる人たちと出会える貴重な機会に恵まれました。
 ヨーロッパや北米を中心にして、世界的に大きな流れとなっている環境そして人々や動物たちが健全であるための取り組み。ここで紹介したのはその中の小さな一つですが、このような取り組みによって生まれる農作物を使った物作りが、ファッションの世界においても進んでいくことを望んでいます。

Photo&Text : Shunsuke Ishikawa

Category:
Share:
facebook
twitter

洋服づくりの原点をたどる旅の後編。前編ではインドール郊外でオーガニックコットン作りを支える施設を紹介しました。今回は訪問した農園、そして昨年稼働し始めたジーニング工場について、写真とともにお伝えします。

 今回の旅の一番の目的である綿農家訪問。このプロジェクトでは、約4000軒の農家が7000エーカーの農地を使ってオーガニックコットンを栽培しています。bioReインディアから支給された種子を使い、同社のサポートのもと良質な綿花が作られているのです。また、周辺の農地や綿の休耕中には他の作物が作られており、それらの作物が農家の収入を支えていて、僕が行ったこの時期には、いたるところにマリーゴールドが咲いていました。綿と一緒に植えることによって害虫を寄せ付けなくなるコンパニオンプランツの役割もはたしてます。堆肥は飼っている牛の糞からコンポストを作り、害虫駆除にはニームという木の種子や葉を発行させたものにニンニク、タマネギ、唐辛子などを加えたニーム液を自作します。自然にあるものを使って栽培することで支出を減らすことが出来ています。
写真の男性はPrakash Daluramさん。ここで3エーカーの耕作をして、年間180kgのオーガニックコットンを栽培しています。オーガニック農法は慣行農法に比べて収穫量は最大15%程度低下するが、生産コストは38%程度低くなると言うことです。
綿栽培には気候が大きく関わります。種まきからコットンボールが熟成するまでは雨が多く、コットンボールがはじける時期には寒暖差があり雨が降らない乾燥した気候が必要。僕が行った11月上旬のこの時期、昼は30度を超えて日差しを遮るものが無い農園に長時間いるのはつらいほどでした。しかし、日が暮れると一気に冷え込み、持って行った薄手のダウンが活躍。この気候がインドを中国と並ぶ世界最大の綿生産国にした要因の一つです。
 綿農家を後にして最後に訪問したのは、昨年稼働し始めたジーニング工場。収穫した綿花の繊維(リンター)と種を分離するジーニング(綿繰り)工程を行う工場です。種が除かれた綿はその後風を使ってゴミと分離されて原綿になります。上で紹介した農場で収穫されたコットンはここに運ばれて、遺伝子組み換えコットンと混じること無く綿繰りされて純粋なオーガニックコットンになっています。そしてその原綿が世界に向けて出荷されています。
 ジーニング工場の稼働によって、bioReが行う種の供給から原綿の買い取り、原綿作りまでを一貫して行う流れがほぼ完成し、僕たちが使用しているオーガニックコットンが供給されています。
 日数が限られていたので各地を駆け足で巡るインドの旅でしたが、洋服の原点となる原料の生産過程とそこに携わる人たちと出会える貴重な機会に恵まれました。
 ヨーロッパや北米を中心にして、世界的に大きな流れとなっている環境そして人々や動物たちが健全であるための取り組み。ここで紹介したのはその中の小さな一つですが、このような取り組みによって生まれる農作物を使った物作りが、ファッションの世界においても進んでいくことを望んでいます。

Photo&Text : Shunsuke Ishikawa

Category:
Share:
facebook
twitter

To TOP