石川:伝統ある本物のオイルドクロスといえばこれですね。ミラーレーンのオイルド(ワックス)クロス。
— カモ柄に目を奪われがちですが、重厚な質感で男らしいアイテムです。
石川:最近は手入れが楽でべたつかない「DRIDEN」シリーズを使うブランドがほとんどで、MARKAWAREでも使用してきましたが、やはりオイルド(ワックス)クロスの機能性や経年変化などを追求すると、オイルを塗布された本物のオイルド(ワックス)クロスにはかないません。
— この生地について解説していただけますか?
石川:この「CHERA」というシリーズはミラーレイン社のシグネチャーモデル素材です。そのなかで最も肉厚な「CHERA8」をチョイスしました。ミラーレイン社の生地全体のなかでもミディアムからヘヴィーウェイトに属する、しっかりした生地です。
— この生地で作った洋服についてそれぞれ教えて下さい。
石川:今シーズンは2型つくりました。まず昨年ご好評いただいたバルカラータイプのコート。少しリファインを施して、つっぱり感の出やすかったバックヨークをなくしてシンプルなバックスタイルになりました。また、腰のマチ付きポケットも大型にして収容力を高めています。
— もう一型はショートタイプですか?
石川:はい、アウトドアマンズショートと呼んでいますが、こちらも同じく腰のポケットを大型化しています。いままでは長財布や大きめの書籍を入れるとフラップを閉じられませんでしたが、大型化することにより解消しています。
石川:どちらも着込んでいくことによってオイルが抜け、色合いや表情の変化が楽しめます。しかしオイルが抜けるということは撥水性が低下するということでもあります。屋外でどんどん着用していただく方に長く使っていただくため、別売りで純正のワックスを用意しておりますので、店員に気軽にお申しつけください。
Photo & Text : Tsuzumi Aoyama