2014F/WのMARKAWAREは、天然素材にこだわったコレクションを展開。ベンタイル、ローデンクロスやSuper 120’Sウールのメルトンなど、豊かな風合いをもちながら着込むほどに肌に馴染む洋服が揃います。このコーナーではデザイナー石川俊介にそれぞれの素材、洋服に注ぎ込んだこだわりを聞いていきます。
— ふっくらとして、見るからに暖かそうなツイードですね。
石川:英国のウールに惹かれるんですよ。独特のハリコシ感、自然の色あいからピックアップした美しいカラーリング。しかもイタリア糸ほど艷やかすぎないあたりが魅力です。ご指摘の通り、しっかりとした肉感と、仕立て映えのするハリがあります。ニットでもシェットランドウールなどは柔らかさを持ちながら、生地にはしなやかなコシがあり膨らみも出るので本当に温かいですよね。
— 使用しているKNOLL社の糸について教えて下さい。
石川:英国ウェストヨークシャーにあるKNOLL社は、素晴らしいカラーコレクションを持っています。ツイードの美しさは豊かな色合いのトップ糸を使用することにより生まれます。その点でKNOLLは条件にピッタリです。
石川:使用しているSUPER SOFT糸は、貴重なシェットランドウールの風合いを再現するために作られた「SHETLAND」シリーズを少し細番手にして柔らかさを強調したPURE NEW WOOL100%の11.5番糸です。
— 細番手にすることで生地にはどのような特徴が出るのでしょうか。
石川:まず、細番手なので高密度な生地ができあがります。それでいて肉厚になりすぎない洗練された肉感のある生地になりますよ。この厚みは、洋服の質感を高めながら、空気をたっぷりと蓄えるので着ると非常に温かい。また糸の柔らかさは生地のしなやかさにも直結し、着心地のよい服になります。
— さきほど、色のお話もありましたが、カラーバリエーションをお教え下さい。
石川:写真で見ていただいた通りの3種類です。複雑に数種類の色が絡み合ったブラウン、自然の色を再現したグリーン、明るめながら深い色合いのブルーです。屋内の照明の下ではもちろんですが、屋外で太陽の光を浴びたときには本当に美しい色合いを感じていただけると思います。上質な素材を贅沢に使用していますが、着用感を含めてそれに見合った満足が得られる、MARKAWAREらしいアイテムに仕上がったと思います。
Photo & Text : Tsuzumi Aoyama