ポートランドがあまりにも楽しく未練を残しながら次の目的地ニューヨークに向かいました。
いわゆる「レッドアイ」つまり夜発って朝着くという便での移動で殆ど眠れずに早朝マンハッタンに到着しました。
まずは荷物を置きたくてホテルに直行。今回のホテルは「NOMAD」ホテル。人気のACE HOTELのすぐ近くにオープンした新しいホテルで、1階には青山にも出来た「KITSUNE」が入っています。ちなみにNOMADは「遊牧民」の意味ではなく、「North Madison」の略だそうです。
早朝の到着だったのですが少しのアップチャージでチェックインさせてもらえました。で部屋に入ってみると…「中目??」。日本で撮られたにちがいない桜の写った写真をメインに、日本のはがきなどが飾られていて、海外旅行気分がいっきに消えていきました。フランスイメージの内装と聞いていたのですが、ジャポニズムを意図したのでしょうか….。とはいえ十分におしゃれで、今のデザインホテルらしいコンパクトでいいホテルでした。アメリカのデザインホテルに泊まるときはアメニティーを楽しみにしているのですが、NOMADでは「Cote Bastide」のARGANオイルシリーズを使用していました。
ホテルで仮眠を取った後、MARKAWARE・PARKINGのグラフィックデザインをお願いしているSTUDIO NEW WORKの田中了達君と落ち合いFREEMANSのPEELSへ。最近NYではランチミーティングだけでなくブレックファーストミーティングというのがあり、出社前に取引先と打合せを行うとのこと。そんな時に便利なのが朝7時半から開いているPEELSのような店ということでした。この店で一番記憶に残ったのが写真の左下に写っているケチャップ。とにかく美味しくてボトルもかわいい。今のアメリカはデザインが良くて美味しいものがあふれていて、洋服を見るよりもこの手のものを見たり食べたりしている方が楽しくなってしまいました。
今までの旅の中で最も多く食に関する店を訪問しました。
自分の中での食(食べることと作ることの両方)に対する関心の高まりによって目につくのかもしれませんが、今回の旅でも食関連の店や商品がどんどん格好よくなっていることを実感しました。今まで明確な差があった、食の世界とファッションの世界の垣根が無くなってきているように感じます。FREEMANSがTシャツづくりからスタートして次にレストランをやって洋服屋・散髪屋と広げていき、SATURDAYS SURFがマンハッタンでサーフとコーヒーショップを一つにしたりというところから今もさらに広がっていますね。また多くのインテリアショップが家具や住関連雑貨から食関連グッズへと取扱品目の割合を変えていったりとますます食に近づいている。ファッション的な感覚を異業種の人達が食の世界へと次々に持ち込んでいく。そして衣食住遊の世界が一つになっていく。それも絞られたフィルターを通して統一した世界観で、カジュアルな感じで。
その後もマンハッタンの中をぶらぶらと回りました。ただ写真を整理していて気づいたのですが、洋服屋さんを撮ったものが非常に少ない。ここにあげている写真がほぼ全てでした。
結構回ったんですが、新しい発見が殆どなかったんですね……。
Photo&Text : Shunsuke Ishikawa