PARKING COFFEEオリジナルのブレンドであるブラックバードは味わいの要素の分布が広く、かつ厚く仕立てたカップデザインです。必然的に、フォーカスのあて方であらわれる表情の幅もとても広く、作り手としても面白味のつよいカタチになりました。
今回のレシピによる「氷を詰めたところにドリップ」は、アメリカではKYOTO STYLEとかGION STYLEと呼ばれることもあるようですが、由来はいまひとつはっきりしません。
この抽出方法では香りはすこし淡くなりがちなのですが、豆のもっているキャラクターを、見通しよく爽やかな立体感をもってあらわすことができます。
“ブラックバード”のディテールを、サマーシーズンならではの魅力をもって楽しんでいただけるレシピなので、これからの季節におすすめです。
【GION STYLE ICED DRIP COFFEEの手順】
1. ピッチャーに仕上りの半量の氷、ここでは250gのロックアイスを詰める。
2. ドリッパーにペーパーフィルターをのせて、コーヒーパウダー40gを入れる。
3. 1投目で湯を粉に行き渡らせたら、60秒しっかりむらす。
4. 2投目以降は5秒ずつ「注ぎ/インターバル」を繰り返して抽出層の水位をたもつ。
5. 250ccのコーヒーがサーバーに落ちて、あらかじめ詰めた氷との合計が500ccになったらドリッパーをはずす。ここまでの時間の目安は、トータル2:15〜2:30。
なお、メッシュ(豆の引き加減)はホットのドリップと同じ4番挽き。これは中挽きと細挽きの中間です。あらかじめペーパーフィルターにお湯を通しておくと、とくに風味のよいファーストドリップをしっかりと落とせます。
また、美味しく淹れるコツですが、今回のGION STYLE ICED DRIP COFFEEのカップデザインでは、一投目のむらしをしっかり60秒にとって抽出時間をしっかり稼ぐのがポイントです。
Photo & Text : Tatsuya Murai (PARKING COFFEE)