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PARKING
衣・食・住・遊のすべてにこだわりを持つ男性のための新しい生き方を模索する、Lifestyle Magazine型のショップ。
洋服のほか男性の生活全般に渡って必要な道具や消耗品をそろえ、「自然と街を結ぶトランスポーター」である自動車も重要なエッセンスとして機能。
PARKING MAGAZINE
今とこれからの男性の生き方を模索するウェブマガジン。働くこと、遊ぶこと、生活することを三位一体とし、「グローバル|ローカル」, 「都市|自然」, 「消費|創造」といった様々な隔たりを軽やかに飛び越えていく、自由で活動的でDIY精神豊かな男性像を模索していくウェブマガジンです。
PARKING COFFEE×CACAO WORKS
数社のロースターと契約し、セレクトしたスペシャリティーコーヒーを提供。
産地から直送されるカカオ豆を自家焙煎し、カカオと砂糖のみを用いた特別製法のチョコレートを販売。
コーヒーとチョコレートで朝の目覚まし、軽いランチ、午後の気分転換、夕方の一休みなどの時間と空間を提供します。

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  • PARKING
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    153-0061 東京都目黒区中目黒 1-1-45
    TEL: 03-6412-8637

    Existence Co., Ltd.

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2013.07.31
Utility Journal Nº1
SONY DSC RX1R

衝動買いをしてしまいました。

ここ数年ずっと50mmで撮影していたのですがスナップ用には35mmも使いたい。それも可能な限り明るくてよく映るレンズで。35mmの使い方としてはスナップや室内撮影をメインにして、できればテーブルの上の料理やコーヒーなんかもさっと撮影したい。そうすると最低撮影距離の長いLEICAのレンジファインダーでは厳しい。じゃあ一眼レフはというと旅行に持って行って気軽に一枚というには大袈裟過ぎて疲れてしまいます。それで今まではこの辺の画角用にいわゆるコンデジ(SONY RX100他)やiPhoneを使っていたのですが、画質はどうしても満足できない。コンデジが出してくる絵はどこまで行ってもコンデジの絵。いわゆるミラーレス一眼もいいとこまでいってるとは思うのですが、やはりコンデジの範疇にある写りで中途半端な気がして触手が伸びない。

そんな中ありました、いろんなことを満たしてくれるかもと幻想を抱かせるカメラが。SONY RX1。カールツァイス ゾナーという名玉の名を冠したレンズに、35mmフルサイズCーMOSセンサーを積んだリトルモンスター。車で例えるならマーチ並みのハッチバックボディーに⒊5リッターエンジンをぶち込んで後輪を駆動するようなインパクト。スペックだけでやられてしまいます。

ただ発売からしばらく経っても購入には至りませんでした。理由はまず価格。あくまでコンデジのカテゴリーと考えるととんでもない高さです。第二にローパスフィルター。せっかくのフルサイズセンサーの解像度がスポイルされてしまう気がしてもったいない。M9はローパスフィルターレスですが、モアレで嫌な思いをしたことはほぼないのでフィルター無しがいい。

そんな風に考えていたら発表されました。ローパスフィルターを外したRX1が。その名も「RX1R」。最後のRは赤文字で、自動車メーカーが満を持して送り出すスポーツカーに、Racingの”R”を冠したネーミングを施すことを彷彿とさせます(日産の「スカイラインGT-R」やホンダの「インテグラTYPE-R」などが有名ですね)。まさに車の名称です。車に例えるならば、軽量ハイパワーはそのままでよりシャープでクイックな走りに!!みたいな感じです。買わない理由一番目の価格はそのままですが、二番目の理由がなくなりました。発売日が7月5日ということで、ちょうどアメリカ視察旅行に行く直前ということもあり「どうしてもこのカメラをぶら下げて行きたい」という思いがプラスされ、買わずにはいられなくなってしまいました。

UtilityJournalRX1R8 

前置きが長くなってしまいましたが、販売初日にこのカメラを入手しましたので写真ド素人の簡単なインプレッションをお届けします。

まず箱をあけてカメラを取り出して最初に感じることは、軍艦部(カメラ上部)の雰囲気の良さ。シンプルで使いやすそうです。露出補正ダイヤルを右手親指で簡単に操作できるようになっているところが、このカメラの使い方を表していると感じました。カメラ本体は思っていたより(実際に購入するまで実物を見たことがありませんでした…)大きい。フルサイズセンサーが入っているので当然といえば当然ですがコンデジなどよりはかなり大きいです。レンズ銅鏡の方はもっと巨大で中にでかいレンズが入っていることを実感させてくれます。レンズ前玉はLEICA SUMMICRON35mmと同じくらいのサイズです。外観上唯一の難点は銅鏡とボディー接合部分の中途半端なアルマイト塗装で仕上げられたオレンジ?色のリング部分、ここだけ他とは違う色が入っていてかなり違和感を感じます。いっそ塗り色で良かったのに。しかしそれ以外の部分は銅鏡の大きさも含めて非常に良くできていて、レンジファインダーカメラに明るくでかいレンズを付けファインダー部分だけをカットした感じのいい面構えだと感じました。

UtilityJournalRX1R14 

外観を一通り見回した後に電源を入れてみます。液晶モニターにうつる画像は少しクールな色合いで、絞り解放時にはピントの来ている部分以外はすごいボケです。あれ35mmf2ってこんなにボケたんだ?と思う位にすっとボケていきます。(ちなみにこのボケという表現、英語でも「BOKEH」と表現します。)

UtilityJournalRX1R12

しかし試しにシャッターを押して一枚撮影し、再生ボタンを押してみると「あれ….こんなもん?」程度の画像でした。M9にSUMMICRONやSUMMILUXを付けて小さな液晶画面で再生した時に感じたうなるような絵としてのすばらしさは感じません。SONYとLEICAの色再現に対する考え方の違いとレンズにかけられるコストの差が大きいのがその理由かもしれませんが、液晶モニターで見た段階でLEICAの撮る写真には何かオーラを感じます。一方RX1Rはあくまでシャープになったコンデジの写真としか感いられずに少し拍子抜けしました。M9の撮る絵は非常に高価なガラスを使っているであろうレンズが、目の前の風景を一旦融解して高品質に結晶させた結晶化ガラスのような絵と感じます。なめらかでつややかな質感と純度の高い色を出してくる感じです。一方RX1Rはどこまでも平凡で金属的な感じで液晶モニターで見る限り感動はありませんでした。

しかし写真を虫メガネマークで拡大してみると、「うぉー!!」信じられないくらい細かなディテールまできっちり写しこんでいます。オートフォーカスのおかげもあってピントもしっかり合っていますので、拡大していくのが気持ちのよくなるシャープさ。最大倍率まで拡大してあちこち確認するのが楽しくなります。非常に素直に何の誇張も無くしかしどこまでも精密に捉えてくれます。それも絞り開放から圧倒的にシャープに写ってくれます。この辺は同じ日本製のNIKON D800に近い。変に絵作りすることなくきっちり写してくれる感じです。

 UtilityJournalRX1R13

このカメラを持ってアメリカ出張の際に撮ってきたのが以下の写真です。

UtilityJournalRX1R10 UtilityJournalRX1R11 UtilityJournalRX1R6

UtilityJournalRX1R4 UtilityJournalRX1R1  UtilityJournalRX1R9UtilityJournalRX1R3 UtilityJournalRX1R2 UtilityJournalRX1R7 UtilityJournalRX1R5

実際に街で使用して感じたのはその使いやすさ。このレンズを搭載している以上やはり絞り優先で使いたい。開放からシャープなので被写界深度目的で絞りを調整して写真を撮る。あとはカメラ任せで、露出が気になるときには右親指で露出補正ダイヤルをかちかちとまわす。周辺光量やゆがみはこのレンズの数少ない存在アピールなのでそのままにしておいて撮りまくりました。そして撮った写真を見て感じたのは、ある意味非常にコンデジっぽく、ある意味非常に高性能なカメラ。持ち歩くのが苦になる重さではないので無い日持ち歩いて、気軽に何も身構えることなくメモ代わりのスナップをパシャパシャ撮れる。しかしここ一番狙った写真を撮りたいときにはそれに応えてくれる。その両方をかなえてくれるカメラです。それはまるで普段はオートマで気軽に足代わりに使えるのに、サーキットに持ち込めばコンマ1秒を削りに行く熱い走りや快楽的なドリフトにも応えてくれるコンパクトなスポーツカー。

(でも本当の快適性や、本当の熱い走りにはそれぞれに特化したやつが必要ですけどね。)

 

PHOTO & TEXT : Shunsuke Ishikawa