デザイナーの石川俊介です。
ショップに今年の秋冬のコレクションが続々とデリバリーされているところですが、洋服作りとしては既に来年の春夏物に入っています。バイヤーのみなさんやエディターの方にはすでに展示会でお見せした、2013SSのMARKAWAREコレクションについて考えていることをお話してみようと思います。
昨年のパリ視察、そしてサンフランシスコを経由したヨセミテ行きなどを経て思うことが、生きていくためには自然だけでも街だけでもバランスを欠くな、ということです。例えば東京で仕事をして生活しながら、自然に囲まれた場所で過ごす時間も必要だというところで。
例えばサンフランシスコは大きな街で、そこには公園が整備されていますが、やはり街ですよね。とはいえ東京と比較して考えると、サンフランシスコの方がゆったりした雰囲気があるように感じます。
きっとそれは街と自然、それも整備されていない自然との距離の近さなのだと思います。アメリカ西海岸の大きな自然がすぐそばにあることで、一種のおおらかな空気感が漂っている。東京でも駒澤のあたりは緑が多い場所ですし、原宿には代々木公園があります。生活のなかで緑が見えることには意味があると思いますが、それでもサンフランシスコほどの緩やかさには繋がらないんですね。
このフィーリングを東京に落としこみたい、というところで今季のテーマには「ワンダーフォーゲル」というキーワードを当ててみたいと考えています。
その説明はどうしても長くなってしまうので、次回の更新でじっくりとお話しさせていただきますね。
Photo: Shunsuke Ishikawa
Text: Tsuzumi Aoyama