「カップ・オブ・エクセレンス」という言葉をご存知でしょうか。毎年コーヒー生産国で行われている、「最高のスペシャリティーコーヒーを決める審査会」のことです。1999年に始まったカップ・オブ・エクセレンスでは、国際審査員による複数回の審査を行いながら、最終的には100点満点で84点以上を獲得したコーヒーのみにカップ・オブ・エクセレンスの称号を与えます。毎年数多くのコーヒーが生産されますが、そのうち一握りのコーヒーのみが得られる、最高級の証なのです。
今回ご紹介するコーヒーは、2008年のブラジルでのカップ・オブ・エクセレンスで1位を受賞した(93.65点を記録!)ことのあるブラジル・カケンジ農園のもの。200年もの歴史のあるコーヒー農園で、家族を中心に切り盛りしています。
コーヒーの実は、豆の外側を包むパルプ質やミュージレージ(粘液性の糖質)そして一番外側の層である皮で構成されています。農園では、収穫したコーヒーの実から豆を取り出す「精製」の工程までを行い、豆のみを出荷します。お寿司屋さんではありませんが、この精製の工程で「いい仕事」がなされている農園からは、良質なコーヒーが出荷されるというわけです。
カケンジ農園では、パルプドナチュラル製法という方式で精製を行います。まず、コーヒーの実をパルパーという機械にかけて皮と果肉を剥ぎ、ミュージレージをつけたまま乾燥させるというものです。
より簡単なウォッシュドという製法では、ミューシレージまで全て除去した上で、豆のみを乾燥させるわけですが、パルプドナチュラルではミューシレージが腐敗しないように衛生管理と温度、湿度のこまめな管理が必要になります。それだけ手間がかかる製法といえるでしょう。しかし、その手間をかけることにより、ミューシレージの糖質が豆に甘みを与える傾向があります。手間をかけた分、豊かな味わいのコーヒーになるというわけですね。
精度の高いクオリティーコントロールのもとで精製されたコーヒー豆。その気になる味わいは、アプリコットやオレンジを思わせる明るい酸味に加えて、ナッツやチョコレート、ミルクキャラメルのような滑らかな甘みをたたえて、その後味が長く続くというもの。
ぜひ、PARKING COFFEE × CACAO WORKSでその豊かなテイストをご堪能ください。
Text : Tsuzumi Aoyama