“いつでもポケットに入れておけるノートが欲しかった。それも機能的で、かつスタイリッシュなものを。”
Word notebooksの開発者であるアートディレクターのEvan Walkerは開発の経緯をそう語ります。この名前、映画「Argo」のインタラクションデザイン&ウェブデザインを手がけた人物、またはスターバックスのCMグラフィックを作った人物として記憶している方もいるかもしれません。
パスポートサイズで、薄い横罫の惹かれたノートブック。
ページの左はじには2重になった円が描かれ、このガイドは中央を塗りつぶせば箇条書きのための中黒、外周をなぞれば「重要」、斜めに一本線をひいて「進行中」、そして交差させてもう一本線をひけば「完了」とタスク管理を助けるデザインになっています。そして、デザインされているのはこれだけ。
過剰なデザインは省き、しかしながら最低限のデザインがただのメモには留まらないスタイリッシュさを演出し、かつ機能をプラスしています。
スペックもシンプルな箇条書きです。
· 48 pages, lined
· 3.5″ x 5″
· Made in the USA
· Cover: Environment Desert Storm 120# smooth paper
(100% post consumer recycled)
· Interior: Lynx Opaque Ultra smooth white 60# text
· Acid free paper (cover and interior)
· Printed with Hostmann-Steinberg inks
· Stitching wire comes from the Spiral Binding Company
48ページという薄さのおかげでデニムのポケットにいれても動きを妨げませんし、シャツの胸ポケットにいれても服のシルエットを崩すことはありません。また多少ラフに扱っても(おそらく)すぐに使いきってしまうのでボロボロになりません。中面は酸が入っていないアシッドフリーペーパーなので、長期間の保管にも耐えることができます。
カバー、中面で使用する紙、プリントするインク、そして背中を閉じる針金のメーカー名を列記しているあたりからも、素材や材料には吟味を重ねたであろうことが伺い知ることができます。なお値段は3冊1パック(=144ページ)で1575円。
マットな表紙はカモ柄やプレーンなトーンで統一され、もちろんEvan Walkerのデザインによる極上のルックス。MARKAWAREデザイナーの石川俊介も愛用しています。「マットなサインペンがこのノートには合います。ペンの滑りが気持ちいいんですよ」
打ち合わせやメモ書きが楽しくなるノートブック。デジタル偏重のこの時代にあって、手書きのノートが新しい着想を生み出すかもしれません。
Photo & Text : Tsuzumi Aoyama