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PARKING
衣・食・住・遊のすべてにこだわりを持つ男性のための新しい生き方を模索する、Lifestyle Magazine型のショップ。
洋服のほか男性の生活全般に渡って必要な道具や消耗品をそろえ、「自然と街を結ぶトランスポーター」である自動車も重要なエッセンスとして機能。
PARKING MAGAZINE
今とこれからの男性の生き方を模索するウェブマガジン。働くこと、遊ぶこと、生活することを三位一体とし、「グローバル|ローカル」, 「都市|自然」, 「消費|創造」といった様々な隔たりを軽やかに飛び越えていく、自由で活動的でDIY精神豊かな男性像を模索していくウェブマガジンです。
PARKING COFFEE×CACAO WORKS
数社のロースターと契約し、セレクトしたスペシャリティーコーヒーを提供。
産地から直送されるカカオ豆を自家焙煎し、カカオと砂糖のみを用いた特別製法のチョコレートを販売。
コーヒーとチョコレートで朝の目覚まし、軽いランチ、午後の気分転換、夕方の一休みなどの時間と空間を提供します。

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  • PARKING
    ADDRESS: Watanabe bldg.1F
    1-3-8 Nakameguro, Meguro-ku
    Tokyo, JAPAN 153-0061
    153-0061 東京都目黒区中目黒 1-3-8
    渡辺ビル 1F
    TEL: 03-6412-8217
    EMAIL: info@parkingmag.jp
    STORE HOURS:
    12:00 - 20:00
    WEDNESDAY CLOSED

    PARKING

  • PARKING COFFEE X CACAO WORKS
    ADDRESS: Field Stone 1F
    1-10-5 Kamimeguro, Meguro-Ku
    Tokyo, JAPAN 153-0051
    153-0051 東京都目黒区上目黒 1-10-5
    フィールドストーン1F
    TEL: 03-6427-0806
    EMAIL: info@parkingmag.jp
    STORE HOURS: 9:00 - 19:00
    (Irregular Holidays)

    PARKING COFFEE X CACAO WORKS

  • Existence Co., Ltd.
    ADDRESS:
    1-1-45 Nakameguro, Meguro-ku
    Tokyo, JAPAN 150-0061
    153-0061 東京都目黒区中目黒 1-1-45
    TEL: 03-6412-8637

    Existence Co., Ltd.

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2014.12.30
Book Review Nº16 Boumei Russia Ryouriロシアからアメリカに亡命した、二人の“食道楽主義者”によるプロパガンダ。

旧ソ連からアメリカに亡命した二人のジャーナリストがロシア語で著した『亡命ロシア料理』。

1987年、ピョートル・ワイリとアレクサンドル・ゲニスによる共著としてアメリカで刊行された本書は、食文化を通して文明批評を試みた一冊である。1996年に邦訳がなされたものの、長く入手困難な状態が続き、初版から18年を経た2014年11月、新装版が刊行された。

本書のスタンスは序盤の一文に集約されている。

「人間を故郷と結びつける糸には、じつに様々なものがなり得る。偉大な文化、強大な国民、誉れ高い歴史。しかし、故郷から伸びているいちばん丈夫な糸は、魂につながっている。いや、つまり、胃につながっているということだ。」(p8「素晴らしきこの魂の高まり」)

本書を読み進めるにしたがって、これが政治的イデオロギーへの皮肉ではなく、著者たちの信念であることが分かってくる。

我々の根源的な営みである食事を切り口に、各地域の文化を比較し、人間の有り様を食習慣から論じる『亡命ロシア料理』。難解で取っ付きにくい本のようにも見えるが、それぞれ4、5ページで構成された全45章に「キノコの形而上学」「女性解放ボルシチ」「なまけ者のためのペリメニ(注・ロシア風水餃子)」「ボトヴィニヤ(注・ロシアの冷製スープ)攻防戦」「メンチカツの名誉回復」といったユニークなタイトルが付けられ、いずれも食へのこだわりが文明論と結びつく。料理の話が多方向に発展していく様が極めて刺激的な本書。どの章でも、より一層食欲をそそる形でテーマを広げる展開が、ワイリとゲニスの力量を証明している。

「アメリカ合衆国のような南国に独自の冷製スープがないとは、奇妙なことだ。ここではせいぜい、スペインのガスパッチョか、ベラルーシ・ユダヤ風のビートスープくらいにしかありつけない。だから、この未開の地を自分の手で変えていかなければならないのだ。(p79「ボトヴィニヤ攻防戦」)」

「フロンティア・スピリット」の神話を「冷製スープ」の有無で説明するのは、暴論に違いない。だが、著者たちは「食道楽の見地から世界を見ること。それがわれわれの世界観だ。(p76「キノコの形而上学」)」と言って憚らない。これでは開拓者の誇りを抱く人々も怒るに怒れない。

また、邦訳の版元が「実践レシピ付料理エッセイ」と紹介するように、本書では、シチーやブイヨン、ビーフストロガノフから野菜ジュースに至るまで、様々なレシピが詳述され、読者が料理と食事を楽しむヒントが散りばめられている。二人の著者は、世界各地で歴史に培われた料理の方法を手掛かりとして、文化を“実践的に”解き明かそうとする。彼らにとって、料理は発想の源泉である。

「バレエ、文学など高尚な芸術のどれを取っても、料理ほど、空想や変形の自由がきくものはない。それに、料理という芸術ほど人を自己表現に誘う芸術も他にはない。(p174「毎日がお祭り」)」 

旧ソ連からアメリカへと亡命を遂げた二人の著者による『亡命ロシア料理』。本書は、我々に豊かな食生活を提案し、自らのアイデアを最大限活かしたライフスタイルへの“亡命”に誘う、二人の“食道楽主義者”による魅惑的なプロパガンダである。

 

新装版 亡命ロシア料理 』
未知谷刊
ピョートル・ワイリ、アレクサンドル・ゲニス著
沼野充義、北川和美、守屋愛訳

Text : Hiroyuki Motoori