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PARKING
衣・食・住・遊のすべてにこだわりを持つ男性のための新しい生き方を模索する、Lifestyle Magazine型のショップ。
洋服のほか男性の生活全般に渡って必要な道具や消耗品をそろえ、「自然と街を結ぶトランスポーター」である自動車も重要なエッセンスとして機能。
PARKING MAGAZINE
今とこれからの男性の生き方を模索するウェブマガジン。働くこと、遊ぶこと、生活することを三位一体とし、「グローバル|ローカル」, 「都市|自然」, 「消費|創造」といった様々な隔たりを軽やかに飛び越えていく、自由で活動的でDIY精神豊かな男性像を模索していくウェブマガジンです。
PARKING COFFEE×CACAO WORKS
数社のロースターと契約し、セレクトしたスペシャリティーコーヒーを提供。
産地から直送されるカカオ豆を自家焙煎し、カカオと砂糖のみを用いた特別製法のチョコレートを販売。
コーヒーとチョコレートで朝の目覚まし、軽いランチ、午後の気分転換、夕方の一休みなどの時間と空間を提供します。

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  • PARKING
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    153-0061 東京都目黒区中目黒 1-3-8
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    WEDNESDAY CLOSED

    PARKING

  • PARKING COFFEE X CACAO WORKS
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    1-10-5 Kamimeguro, Meguro-Ku
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    153-0051 東京都目黒区上目黒 1-10-5
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    EMAIL: info@parkingmag.jp
    STORE HOURS: 9:00 - 19:00
    (Irregular Holidays)

    PARKING COFFEE X CACAO WORKS

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    ADDRESS:
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    Tokyo, JAPAN 150-0061
    153-0061 東京都目黒区中目黒 1-1-45
    TEL: 03-6412-8637

    Existence Co., Ltd.

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2014.05.20
Movie Review Nº12 ”WITHNAIL & I”どうしようもなく空しいふたりが、愛おしくてたまらない。

ジョニー・デップにインタビューしたことがある。彼に古今東西の映画から好きなキャラクターを選んでもらったのだ。答えは、『ゴッドファーザー』(1972)のアル・パチーノが演じたマイクル・コルレオーネと『ウィズネイルと僕』(1987) のリチャード・E・グラント演じるウィズネイルだった。

1987年製作の『ウィズネイルと僕』は、ブルース・ロビンソン監督作品である。イギリスやアメリカではカルト的人気を誇るものの、日本では1991年に吉祥寺バウスシアターで限定的に上映されたのみで、ビデオやDVDも未発売となっていた本作が、製作から27年、日本初公開から23年の時を経てスクリーンに甦る。吉祥寺バウスシアタークロージング作品とのことらしい。

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この映画は、カルト的な人気の作品ということで映画ファンの間で有名だ。米国のファッション誌「Vanity Fair」が2012年選んだ「ファッショナブルな映画ベスト25」(順不同)、英国の映画雑誌「Empire」が2012年選んだ「最高におもしろいコメディ映画のベスト50」の24位、英国の映画雑誌「Total Film」が2011年選んだ「映画史に残る酔っぱらい50人」の15位(リチャード・E・グラント)にランクインしているのだ。

おもしろいのは、リチャード・E・グラントが演じるウィズネイルというキャラクターがともかくオシャレで、性的嗜好がゲイであることだ。ジョニー・デップは生まれ変わったら、このウィズネイルを演じてみたいとも言った。ゲイの男性である。彼は『ラム・ダイアリー』(2011)で、半ば監督業を引退していたブルース・ロビンソンに監督させるほど、彼に入れあげていたわけだ。

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話は主人公の“僕”とウィズネイルの2人劇である。1969年、スウィングギング・ロンドンの末期。売れない俳優の2人、ウィズネイル(中央 リチャード・E・グラント)と僕(左 ポール・マッガン)は、ロンドンのカムデンタウンに住んでいる。酒とドラッグに溺れる貧乏な毎日に嫌気がさした僕は「こんなんじゃダメだ!」と思い、ウィズネイルの叔父モンティ(故リチャード・グリフィス)が持っている田舎のコテージで素敵な休日を送って気分転換を図ろうとするのだが……。

ブルース・ロビンソン監督自身による脚本は、彼の半自伝的な要素をたぶんに含んでおり、ロビンソンが生きた1960年代終わりの雰囲気が濃密に描かれている。登場するキャラクターは、すべて実在の人物がベースなのだ。

1969年に置いてけぼりにされた“僕”はまさしくロビンソン自身であり。その“僕”がモンティ叔父さんに襲われる場面のセリフなどは、実際にロビンソン監督が、イタリア人映画監督フランコ・ゼフィレッリに襲われかけた時のセリフがそのまま使われている。

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そして誰もいない公園で、オオカミの檻の前で語られるシェイクスピアの『ハムレット』の独白。劇場に見立ててれば万雷の拍手といくところだが、そこへ雨が降る。どうしようもなく、空しい。これこそが、この映画が持つ人生の真理である。またこの2人が、愛おしくてたまらないのだ。どうしようもない親友がいて、どうしようもない日々を無為にすごしている。

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最後にこの映画のプロデューサーを記しておきたい。元ザ・ビートルズのギタリスト、故ジョージ・ハリスンだ。ついでにいうなら、スペシャル・プロダクション・コンサルタントとして「リチャード・スターキーM.B.E」としてザ・ビートルズのドラマー、リンゴ・スターがクレジットされている。マドンナやショーン・ペン主演の『上海サプライズ』(1986)のプロデューサーとして知られる彼は、『アメリカン・ハッスル』(2013)にも楽曲を提供したエレクトリック・ライト・オーケストラのジェフ・リンとも強力なコラボを築いた。また、英国のコメディ集団“モンティ・パイソン”の強力なパトロンでもあり、ジョージ・ハリスンが作った「ハンドメイド・フィルムズ」という製作会社は“モンティ・パイソン”のために作った映画製作会社で、本作もその一本なのだ。

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本編でも使われるザ・ビートルズの「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィーブス」、ジミ・ヘッドリックスの「ウォッチタワー(見張塔からずっと)」「ヴードゥー・チャイル」といった楽曲たちが醸しだす1969年の雰囲気も、この映画の見所のひとつだ。

 

 

『ウィズネイルと僕』

5月3日〜5月31日(土)、吉祥寺バウスシアターにてクロージング上映中

配給:ハンドメイド・フィルム

監督・脚本:ブルース・ロビンソン 

音楽:デイヴィッド・ダンダス、リック・ウェントワース

出演:リチャード・E・グラント、ポール・マクガン、リチャード・グリフィス、ラルフ・ブラウンほか

公式サイト:http://w-and-i.com/

 

Text : Mutsuo Sato

(C)1987 Handmade Films