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PARKING
衣・食・住・遊のすべてにこだわりを持つ男性のための新しい生き方を模索する、Lifestyle Magazine型のショップ。
洋服のほか男性の生活全般に渡って必要な道具や消耗品をそろえ、「自然と街を結ぶトランスポーター」である自動車も重要なエッセンスとして機能。
PARKING MAGAZINE
今とこれからの男性の生き方を模索するウェブマガジン。働くこと、遊ぶこと、生活することを三位一体とし、「グローバル|ローカル」, 「都市|自然」, 「消費|創造」といった様々な隔たりを軽やかに飛び越えていく、自由で活動的でDIY精神豊かな男性像を模索していくウェブマガジンです。
PARKING COFFEE×CACAO WORKS
数社のロースターと契約し、セレクトしたスペシャリティーコーヒーを提供。
産地から直送されるカカオ豆を自家焙煎し、カカオと砂糖のみを用いた特別製法のチョコレートを販売。
コーヒーとチョコレートで朝の目覚まし、軽いランチ、午後の気分転換、夕方の一休みなどの時間と空間を提供します。

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  • PARKING
    ADDRESS: Watanabe bldg.1F
    1-3-8 Nakameguro, Meguro-ku
    Tokyo, JAPAN 153-0061
    153-0061 東京都目黒区中目黒 1-3-8
    渡辺ビル 1F
    TEL: 03-6412-8217
    EMAIL: info@parkingmag.jp
    STORE HOURS:
    12:00 - 20:00
    WEDNESDAY CLOSED

    PARKING

  • PARKING COFFEE X CACAO WORKS
    ADDRESS: Field Stone 1F
    1-10-5 Kamimeguro, Meguro-Ku
    Tokyo, JAPAN 153-0051
    153-0051 東京都目黒区上目黒 1-10-5
    フィールドストーン1F
    TEL: 03-6427-0806
    EMAIL: info@parkingmag.jp
    STORE HOURS: 9:00 - 19:00
    (Irregular Holidays)

    PARKING COFFEE X CACAO WORKS

  • Existence Co., Ltd.
    ADDRESS:
    1-1-45 Nakameguro, Meguro-ku
    Tokyo, JAPAN 150-0061
    153-0061 東京都目黒区中目黒 1-1-45
    TEL: 03-6412-8637

    Existence Co., Ltd.

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?????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????デイヴィッド・ホックニー《ジャグラーズ、2012年6月24日》2012【展示】
(c)David Hockney Courtesy of Hockney Pictures and Pace Gallery

  

今年で6回目になる「恵比寿映像祭」は東京都写真美術館で毎年開かれている映像とアートの国際フェスティバルです。今年は初めて、現代美術でのキャリアが長い北澤ひろみさんがディレクターに就任しました。これまでよりもアートによった視点から興味深い作品が選ばれています。

 今回は「多様性」をテーマに作家や作品を選んだところ、結果的にアジアの作家が多くなった、と北澤さんはいいます。

「アジアは国ごとに、また同じ国でも地域によってほんとうに幅の広い文化がうずまくエリアです。とくに最近、機材の進歩で誰でも手軽に映像を扱えるようになってきた。そのおかげで若手のこれまでにない作品にもたくさん出合うことができました」

この恵比寿映像祭には無料で見られる展示と有料の上映プログラムとがあります。まずは美術館に行く前に、恵比寿ガーデンプレイスのセンター広場に行ってみましょう。日本の小沢剛、中国のチェン・シャオション、韓国のギムソンホックという三カ国のアーティストによるユニット「西京人」が《西京映像祭》という“作品”を展示します。西京とは“東西南北+京”という地名の中で唯一、実在しない「西京」を国名とする架空の都市国家。日本では初めての展示になる今回はコンテナを使ったミニシアターを設置します。また美術館内には西京国の入国ゲートが。段ボールを積み上げたチープな入国管理局では、観客は「あること」をしないと中に入れません。観客も強制的に作品に参加させられて、思わずくすっと笑ってしまう仕掛けです。政治的な事柄を扱っているのですが、単に批判するのではなく、さまざまな形で既成概念を問い直し、国家という枠組みを再考する試みです。2月9日には彼らのパフォーマンスも行われます。 

2_dammi i colori41アンリ・サラ 《ギヴ・ミー・ザ・カラーズ》 2003【展示】
Courtesy Marian Goodman Gallery, New York; Galerie Chantal Crousel, Paris; Hauser & Wirth Zürich London; Johnen/Schöttle, Berline, Cologne, Munich

東京都写真美術館の展示室は入場無料です。そこで上映される作品の一つがアンリ・サラの《ギヴ・ミー・ザ・カラーズ》。アンリ・サラは旧ユーゴスラビアのアルバニア共和国出身、パリでアートを学びました。《ギヴ・ミー・ザ・カラーズ》は彼の故国が舞台です。アルバニアは共産主義の崩壊とそれに続く内戦で荒れ果ててしまい、彼の故郷である首都ティラナも廃墟のようになってしまっていました。その惨状を何とかしようと、彼の友人で同じくパリで学び、ティラナに戻って市長になった人がしたことが、街の建物にカラフルな色を塗るというプロジェクトだったのです。この映像作品は車窓から写されたティラナの街並みと、アンリ・サラとティラナ市長である友人との会話で構成されています。色とりどりの街並みに潜む複雑な歴史や政治、社会や文化の変容が浮かび上がります。

展示室の最後で見られるイギリスの巨匠、デヴィッド・ホックニーの映像作品(写真冒頭のもの)もみどころの一つ。ホックニーはポラロイドを何枚もコラージュした平面作品でも有名ですが、そのポラロイドの一枚一枚が映像になったような作品です。全部で18台のカメラがジャグラーたちをとらえます。画面どうしの間がちょっとずつずれていて、ジャグラーの足が3本になったりしますが、ホックニーは「これが本来の見え方なんだ」と言っているそう。70歳を超えて新境地に挑む彼の、まったく色あせない才能には驚かされるばかりです。

美術館1階のホールでの上映プログラムは有料です。展示室のアンリ・サラ作品が気になった人は、6作品を一度に見られる「アンリ・サラ特集−それぞれの色」がお勧め。「ムーヴィング・イメージ・ゾーン・イースト」は東アジアの作家の短編の詰め合わせ。ヤン・フードンやソン・ドン、日本の作家を含む13作品が見られます。

 5_SONG Dong_Eating Landscape (1)ソン・ドン《食べる山水画》2005【上映】

ワン・ビン(王兵)の《収容病棟》は4時間近い長編。隔離された精神病院という思いテーマのドキュメンタリーです。2013年ヴェネツィア国際映画祭で発表され、大きな反響を呼びました。恵比寿映像祭での上映はジャパン・プレミアになります。

真理子哲也の《あすなろ参上!》は実在する愛媛のご当地アイドル「ひめキュンフルーツ缶」が架空のアイドルグループ「アスナロA」を演じるというドキュメントタッチのフィクション。すべて愛媛ロケ、フィクションですが、実際のことがらも反映されているという、ちょっと複雑な構造です。 

「第6回恵比寿映像祭」は2014年2月7日から2月23日まで、東京都写真美術館で開催されます。上映プログラムなどはhttp://www.yebizo.comをご覧ください。

6_Ermitano,Tad_w_SC_Selection 14344タッド・エルミターニョ《セレクション14344》2009【上映】
日本と東南アジアのキュレーターが選んだ上映プログラム「Media / Art Kitchen – Reality Distortion Field」で上映される作品の一つ。

 

 

Text:Naoko Aono