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PARKING
衣・食・住・遊のすべてにこだわりを持つ男性のための新しい生き方を模索する、Lifestyle Magazine型のショップ。
洋服のほか男性の生活全般に渡って必要な道具や消耗品をそろえ、「自然と街を結ぶトランスポーター」である自動車も重要なエッセンスとして機能。
PARKING MAGAZINE
今とこれからの男性の生き方を模索するウェブマガジン。働くこと、遊ぶこと、生活することを三位一体とし、「グローバル|ローカル」, 「都市|自然」, 「消費|創造」といった様々な隔たりを軽やかに飛び越えていく、自由で活動的でDIY精神豊かな男性像を模索していくウェブマガジンです。
PARKING COFFEE×CACAO WORKS
数社のロースターと契約し、セレクトしたスペシャリティーコーヒーを提供。
産地から直送されるカカオ豆を自家焙煎し、カカオと砂糖のみを用いた特別製法のチョコレートを販売。
コーヒーとチョコレートで朝の目覚まし、軽いランチ、午後の気分転換、夕方の一休みなどの時間と空間を提供します。

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  • PARKING
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    WEDNESDAY CLOSED

    PARKING

  • PARKING COFFEE X CACAO WORKS
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    EMAIL: info@parkingmag.jp
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    (Irregular Holidays)

    PARKING COFFEE X CACAO WORKS

  • Existence Co., Ltd.
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    Tokyo, JAPAN 150-0061
    153-0061 東京都目黒区中目黒 1-1-45
    TEL: 03-6412-8637

    Existence Co., Ltd.

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2013.10.15
Movie Review Nº4
"Rebel Without a Cause"

『理由なき反抗 (Rebel Without a Cause) 』は、3本あるジェームス・ディーンの主演作の2本目にあたる。

『大砂塵』や『暗黒街の女』で名を馳せたニコラス・レイ監督の輝かしい監督第一作で、そのジェームス・ディーンの演技は10代の反抗心をあますところなく表現していて、恐ろしいまでにいい。もう、冒頭の酔っぱらいの演技から完全に虜になる。

この演技は同年の『エデンの東』で主演男優賞にノミネートされたため、映画賞での表彰はなかったが、この映画でアカデミー助演女優賞&助演男優賞ノミネートに輝いているナタリー・ウッドとサル・ミネオも実にいい。高校生役なのに、ディーンは24歳、ウッドは16歳、ミネオは17歳であった。

とくにクライマックス直前の空き家のシーン(『サンセット大通り』同様に、億万長者ポール・ゲティの屋敷で撮影された)はこの3人が絶妙にからんでいて素直に幸せを感じてしまう (のちに『セルロイド・クローゼット』というドキュメンタリー映画を観て、サル・ミネオの演技は、ゲイ的な愛情の現れと知ることになるが) 。

冒頭のWBのトレードマークから叙情性もたっぷりに流れる『エデンの東』のレナード・ローゼンマンの音楽は、1950年代のハリウッド黄金期のダグラス・サークあたりのメロドラマを彷彿とさせて胸に迫る。

1990年にアメリカ国立フィルム登録簿 (1988年にアメリカ議会図書館に永久保存する映画リストで、2011年までに575本選ばれた。アメリカのプロデューサーにインタビューする機会も多いが彼らはみな、このリストに選ばれることが最高の名誉であるという) に制定されるなど、映画史上の名作である。

image_3話はこんな風だ。ロサンゼルスに引っ越してきた17歳の青年ジム・スターク (ジェームス・ディーン) 。酔っぱらったところを集団暴行事件の容疑者として警察に保護され、警察署でジュディ (ナタリー・ウッド) とプレイトー (サル・ミネオ) と知り合う。社会ややり場のない大人たちの苛立ちを抱える3人は意気投合。初登校の日、ジムは不良グループのリーダー、バズに目をつけられてしまい、崖に向かって車を走らせる〝チキンレース〟(これが公開時話題になった) を挑まれてしまう。

1946年、ワーナーは悩み多き青年たちのケーススタディを集めたリチャード・リンドスターのセミ・ドキュメンタリー小説『理由なき反抗』の映画化権を5,000ドルで獲得。若手スターのマーロン・ブランドに白羽の矢を立てたが彼が興味を示さずに (マーロン・ブランドのスクリーンテストはYouTubeで観られる) 、監督も若いニコラス・レイになり、脚本もレイのものが採用された。

公開前の『エデンの東』を観たニコラス・レイは『理由なき反抗』のジム役に、主人公キャル役を熱演したジェームス・ディーンを熱望。

ワーナーはディーンの次回作を、ジョージ・スティーブンス監督の大河ドラマ『ジャイアンツ』にしていたが、主演のエリザベス・テイラーが産休のために撮影延期となったため、この作品が急遽1955年3月から5月まで撮られることになった。

脚本の草稿段階ではジムとプレイトーの露骨な同性愛描写がありジムがプレイトーにキスする場面まであったが検閲官によって削除され、当時の同性愛者を示す俗語〝パンク〟も削除された。

『エデンの東』は1955年4月10日に封切られ、予想をくつがえす大ヒット。気を良くしたワーナーは『理由なき反抗』を急遽A級作品と決定し、同作品はカラーフィルムで撮影されることとなった(すでに4日間だけ白黒映画で撮影されていたのだが)。

そこで赤いジャンパーの登場である。白黒映画で撮られていたとき、ディーンのジャンパーは黒い皮製であったが、カラー映画に映えるように、マクレガー製の赤いナイロン・アンチフリーズのジャケットが選ばれた。

表地が光沢のある赤いナイロン製で、現在では裏地に防寒用フリースがつくが、当時はペナペナのナイロン製。またジッパーはタロン製であった。購入先は、当時ハリウッドブルヴァードにあったマットソンズ・デパートメントストアで、2着購入された。当時の値段にして22ドル95セントの映画の小道具であった。

撮影後、この2着はどうなったか? 1着は友人の作曲家レナード・ローゼンマンに譲ったとの記録がある。もう1着は行方不明らしい。また日本では長い間、ゴルフ用のジャケット〝ドリズラー〟と誤認されてきた。

ついでにいうと、ジェームス・ディーンが劇中で履いていたジーンズは、リー〝101ライダース〟。ディーンというとリーバイス〝501〟のイメージがあるが、それは間違いなのだ。

ともかく、マクレガーの赤いナイロン・アンチフリーズとリーの101ライダースはカッコよかったし、カラー映画に映えた。そしてディーンはカラー映画最初のファッションアイコンになったのである。

同年9月30日、ジェームス・ディーンは自動車事故で帰らぬ人になり、その映画衣装は永遠の神話になった。

 

 

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ワーナー・ブラザース90周年記念
【初回限定生産】ジェームス・ディーン アルティメット・コレクターズ・エディション(3枚組)
11月20日発売 税込 6,980 円
ワーナー・ホーム・ビデオ

Text : Mutsuo Sato